MIDI検定

MIDI検定3級受験への道のり2:音楽再生の歴史

これから、MIDI検定3級受験へ向けて少しずつ勉強していきたいと思いますので、受験を考えている方、もしくは受験しなくても知識を得たい方は一緒に勉強していきましょう!

参考書について

AMEI(音楽電子事業協会)監修の『ミュージッククリエイターハンドブック』の順番で勉強していきます。

今日のお題は、音楽再生の歴史です。

音楽再生の歴史

現在、音楽を聞く方法として一般的になってきているのは、オンラインの配信ストアを介し、ストリーミングでの再生
もはや、データとして機器に保存することも必要ない時代になりました。

演奏された音楽そのものは目には見えない存在。

もともと音楽は、演奏者がいて初めて、演奏された瞬間にだけ、その音楽を聴くことができました。
同じ演奏は二度と聴くことはできません。

 

ところが、『音楽再生機』の誕生によって、演奏者がいなくても音楽を聴けることができるようになりました。

蓄音機

1877年トーマス・エジソンによって蓄音機が発明されました。

蓄音機

1877年といえば、日本では西郷隆盛による西南戦争が勃発したという明治時代です(ものすごく、検定試験に関係ないw)

蓄音機は、空気の振動(=音)の波形円筒形の記録器に刻むことで録音します。

この蓄音機は、円筒形の記録器が円盤形に変わり、レコードへと発展していきました。

レコード

1900年ごろ、SPレコード(Standard Playing)が普及し始めます。
この当時のSPレコードは78rpm(1分間に78回転)で12インチ(30cm)のもので5分間程度しか録音できませんでした。

20世紀に入るとプレス式レコードが開発され、量産可能となります。

のちにLPレコード(Long Playing)が普及します。
これは回転数が33 1/3rpmです。

音質のこだわり

音楽再生が普及してくると、次に「音質」に注意が向き始めました。

また、「モノラル」録音が主流でしたが、「ステレオ」レコードが登場することによって、家庭内でのステレオのオーディオ再生装置が普及しました。

カセットテープがもたらしたもの

ステレオレコードの傍ら、進化してきたのが『磁気テープ』による録音です。
ステレオレコードの普及よりも前に『磁気テープ』ではステレオ録音が可能でしたが、量産するには時間がかかるため、主に録音用で使用されていました。
ところが、『カセットテープ』が開発されることによって、新たな音楽再生の環境を普及させることになります。

それは、移動しながら音楽を再生するということです。

それまで主流だったレコードの場合、レコードプレイヤーに振動を与えると針飛びするので、自宅で音楽を聴くことしかできませんでした。
しかし、カセットテープの場合、振動の影響を受けにくいため、屋外で聞いたり、車に音楽再生装置が取り付けられたりするようになりました。

また、カセットテープは録音が簡単なため、レコードからダビングして、1つのカセットテープに音楽をまとめたりすることができるようになりました。

個々で音楽を楽しむ

さらに「移動しながら音楽を楽しむ」ことができるようになります。
ポータブルオーディオプレーヤーの普及です。

1980年代カセットプレーヤーを携帯し、ヘッドフォンで音楽を楽しむというスタイルができました。
「個々で」音楽を楽しむということが可能になりました。

デジタル化

これまでの録音が「オーディオ」だったことに対して、「デジタル」での録音が主流となってきます。


CD(Compact Disc)の登場です。

一般的に家庭で使われるようになったのは、1980年代前半。

レコードと比べて、様々な面で利点が多く、瞬く間にレコードにとって代わるメディアとなりました。
1980年代中ごろにはポータブルCDプレイヤーも発売されました。

急速に普及し、急速に姿を消したメディアといえば・・・そう、『MD』(Mini Disk)です。

Wikipediaより

若い世代は見たことすらないでしょうね(笑)
MDは、音声圧縮技術によって長時間の録音が可能、何度も録音可能、またサイズも小さいため、急速に普及しました。

そんなMDが姿を消すことになったきっかけは・・・メモリープレイヤーの登場です。

メモリープレイヤーの登場

これまでの再生と大きく違う点は、「メディアとプレイヤーが一体化している」という点です。

プレイヤーのハードディスクやメモリに音楽データを保存し、持ち歩く」ことができるようになりました。

「音楽をダビングする」ではなく、「データをコピーする」という概念が生まれました。
メディアプレイヤーの先駆者となったのが「iPod」です。

CDを購入して音楽を手に入れる、、、ということから「データとして音楽を購入する」ことが普及しました。

iPodが出始めたころは、一度ダウンロードした曲はその端末でしか聴けないなどの制約がありましたが、データをダウンロード利用できる権利を購入するタイプが主流となり一度購入した曲は購入者であれば多数のプレイヤーにダウンロードすることが可能となりました。

現在では、スマートフォンでのダウンロード、再生が一般化してきており、プレイヤーも以前ほどは見かけなくなりましたね。
それどころか、私を含め、周りの友人たちはストリーミングで音楽を聴くことが多くなりました。
もはやダウンロードの必要もなく、みんなでデータを共有している感覚になりました。

これからも、技術の進歩によって、どんどん再生スタイルは変わっていくんでしょうね~
そのうち、時代は巡るで初期の生演奏のみの時代になることもあるかもしれませんね。

1877年   トーマス・エジソンが蓄音機を発明

1900年~  レコードの誕生

1980年代  カセットテープの登場はモバイルかつ個々で楽しむスタイルを生む

1980年代  デジタル記録方式のCDの普及

2000年前後 メモリープレイヤーの普及(メディアとプレイヤーの一体化)

過去問より(2019年)

1877年、トーマス・【 a 】が蓄音機を発明して以来、録音された音楽を聴くという文化が大衆に広まりました。1980年代になると小型のカセットプレーヤーを携帯し、ヘッドフォンを使って一人で聴いて楽しむというライフスタイルが生まれ、同じころ、【 b 】記録方式のCDの普及も始まり、音楽再生環境に大きな変化をもたらしました。

1 エジソン   2 ベル   3 ドルビー

4 磁気テープ  5 デジタル  6 アナログ

 

 

 

 

解答
【a】1
【b】5

過去問はこちらから

次回予告:

MIDI検定3級受験への道のり3:音楽制作の歴史(前半)

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