教室運営

【教室運営】他の講師のレッスン内容を管理してはいけない理由

1.レッスンの記録【報告書】を管理する

私が複数の講師を教室に迎え入れ始めの頃、他の講師にレッスン内容を全て記録に取ってもらい、私がチェックしていました。

その理由は、

  • 経営者として、どんなレッスンが行われているのか知っておくべきだから
  • 生徒によってのレッスン進度が適切か私が把握しておくべきだから
  • 適切でないと判断した場合、講師に指導しなくてはならないから
  • 何か問題が起こったとき、責任は私がとらなくてはならないから

 

要するに、、、、監視です。

 

職種によって、上司が監視する必要がある職種もあるかもしれませんが、音楽大学を卒業してある程度のプライドと技術のある講師を迎え入れている場合、この「監視」は逆効果に働きました。

教えるのは初めてという初心者の講師に関しても、基本的な姿勢はやはり「監視しない」が長い目で見て一番効果的と私は感じています。

 

2.時間の無駄

この「レッスンの記録」は、私が理解しやすいように毎回レッスン内容を細かく書かなければなりません。

レッスン中にはとても書き終わることができないので、レッスン終わってから、もしくは自宅で記入していただきました。

企業で言うところのまさに「報告書」!!

当時は子育てに忙しい講師をお願いしていましたので、自宅に仕事を持ち帰ることになり、時間の負担だったと思います。

さらには、私のチェックを入れる作業も時間の無駄となりました。

 

「レッスンの記録」は今でも使用していますが、あくまで他の講師が代講するときに何をしているか分かる程度、もしくはそれぞれ講師のための記録としてお願いしていて、私のチェックは入りません。

 

3.教本は決められたものだけ使用させるのはNG

教室内で講師の変更がスムーズにできるように、そして教室のレッスン内容に一貫性を持たせるために、教本は私が用意したものだけ使用していただくようにそれぞれの講師にお願いしていました。

 

用意している教本は私が実際に使ってみて「これはいい!」と思ったものだけ置いていましたので、みんなにとっても絶対にいい効果の出る教本だと信じていました。

 

ところが、他の講師の生徒に同じ効果が見られず、「生徒があきてしまう」「生徒がこの教本には乗り気にならない」などなど私の時には出てこなかった問題が出てきました。

 

私が代講でレッスンすると、不思議と同じ生徒でもしっかり練習してくれたり、見られるべき効果が見られたりしました。

 

始めはたまたまかな・・・?と思っていましたが、驚くべき、、というか当然といえば当然なのかもしれませんが、原因がはっきりとわかりました。

 

同じ教本使っていても効果が見られないのは、、、

 

その講師がその教本に魅力を感じているかどうか!

 

ということでした。

 

生徒は肌で分かっているんですね!頭では気付いていないでしょうけれど、講師がその教本に魅力を感じていないため、講師の気持ちも下がっていることに生徒はきちんと反応しているようです。

 

それ以後、私は他の講師には「私が用意した本以外で、自分が魅力を感じている教本があったら、むしろそれを使ってください!絶対に生徒には伝わりますから!」と強く伝えています。

 

4. それぞれの講師自身の目線でなく、私の目線で判断してしまう

良いも悪いも私が経営者として決めるようでは、講師は常に「私がどう思うか?」「私がどう判断するか?」ということだけ考えて行動してしまいます。

 

それでは、講師自身の責任感も判断力も薄れてしまいます。

 

しかも、問題解決する際、「生徒にとっていい答え」ではなく「経営者の私がOKする答え」を出してしまうこともあります。

 

生徒のことも「自分の生徒」という意識よりも「教室の生徒」というとらえ方になり、お互いの親近感が薄れてしまいます。

 

ある程度の責任はそれぞれの講師に任せて、それでも問題が起こるようならば私が責任をとる覚悟でいます。

 

 

5.まとめ

ある意味、私がすべてを把握しているのは私は楽かもしれません。

後々、大きな責任問題にならないし、責任を取る覚悟をしていなくてすみますし。

でも常に私の思い通りに行っているかどうか見張っているのは、本当に疲れてしまいます。

そして、講師は自分の判断で動かないので、その講師の良さ(カラー)が出ません。

それは、その講師の能力が発揮されないということです。

そんな毎日を過ごしていて、やりがいのある職場になるでしょうか。

そんなやりがいを感じていない講師のもとに生徒は来たいと思うでしょうか。

子どもは雰囲気を感じ取る能力に極めて優れています。

 

もし、だれかを雇うときは、「その先生がカラーを思う存分出せる」環境づくりをするつもりで経営することをお勧めします。